男の腕の中はまるで海のようだ。
女は、そう思った。
荒ぶる波に身を叩き付けられ、波間に沈む。
呼吸が出来ない。苦しみに顔が歪む。
「クッ……目を……瞑るな。」
「瞳を…見せろ。お前を…お前の世界を、俺に。」
2006.10 KP/marimo
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