FUCKYOULOVEYOUEATYOUCALLYOU
TRUSTYOUCUTYOUBELIEVEYOUHITYOU...



emotions.



おまえは、のろまでくずのもらいっこだからな。
おれのいうことをちゃんときけるんだったら、
『おにいちゃん』ってよばせてやってもいいぜ。

「…おにい…ちゃん?」

うん、そうそう。そうだ。おまえはいうことを
きいていればいいんだ。おれはおまえの……
おにいちゃんなんだからな。



誰が間桐家の次代当主だと思ってんだ!!!
俺は特別なんだ!!!そ、そうだろ親父?
だから、特別に秘蔵の書を読めて、
だから、特別にあのクズとは違う教育を受けて。

だから、だから、だから、だから…

「…兄さん…」

ふざけるな!お前なんて、お前なんて…



アーハハハハハハ!!売女の分際で嫌がるなよ!!
こんなにイヤらしい汁を垂らしながらよぅ!
他の男には股開くんじゃないぞ!!!この間桐家の
恥さらしが!!なんだよ、その眼は!!文句あんのか!!

「…兄さん…ニイサン…ニ…」

は!公衆便所に兄さんなんて呼ばれる筋合いはないつうの。
お前は黙って掃き溜めにでもなってればいいんだよ!!






「もっと早くこうすればよかった。」

慎二は一瞬、自身に何が起こったのか理解が出来なかった。
ただ、妹…桜が自分を真っ直ぐに見つめている。解ったのは、それだけだった。

そしてその瞳には、激しく強い憎悪。


「ああ…」

咽喉から血が噴出し、視界が遠のく。そこに至って初めて慎二は桜の感情を理解した。
もはや断ち切られた咽喉からは、声の一つも出ない。それでも、慎二は最後に…
妹に一言、伝えたかった。


『やっとおにいちゃんの事を…真っ直ぐ見てくれたんだな。』


十数年ぶりに見つめられる、妹からの眼差し。それは憎悪と言う外何物でもなかったが、
慎二が今、この家で存在していることを確認するには十分の眼差しだった。

「……。」

もはや、その咽頭から血飛沫が上がることもなく。微かに開かれた唇は末期の痙攣で僅かに
空気を振るわせているだけだった。そして瞳は濁り、虚空を…先ほどまで桜がいた空間を
見つめている。


間桐の家で存在が認められなかった男は、その最期に自身の存在を認識させた。


大きなる災いの贄として。



fin




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